ミセス大森が求めたのは『時をかける少女』のような夏アニメ?
リプ欄に集まったさまざまな夏アニメ
Mrs. GREEN APPLEの大森元貴がXで「アニメにどっぷりハマりたく、夏を堪能できる系アニメのオススメありますか(?)」と投稿し、ファンの間で話題を呼んだ。
夏を感じるアニメといっても、思い浮かべる作品は人によってかなり違う。明るく爽やかな作品もあれば、観終わったあとに少しだけ寂しさが残る作品もある。
リプ欄では『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『光が死んだ夏』といった作品を推す声が目立っていた。
『あの花』には、夏の終わりへ向かう時間の中で、止まっていた幼なじみたちの関係が少しずつ動き出していく青春がある。
一方の『光が死んだ夏』には、田舎の夏の静けさと、日常の中にじわじわ入り込んでくる不穏さがある。同じ夏を感じさせる作品でも、その温度感はまったく違う。
そうした幅広い作品名が寄せられていること自体、「夏を堪能できるアニメ」という言葉の奥行きを感じさせる。
Mrs. GREEN APPLEとアニメ主題歌の関わり
そもそも大森元貴、そしてMrs. GREEN APPLEは、アニメと深く関わってきた存在でもある。
そのなかでも、夏や青春という今回のテーマと重ねて考えたいのが、TVアニメ『忘却バッテリー』のオープニングテーマ「ライラック」だ。
『忘却バッテリー』は、記憶を失った捕手・要圭、彼を待ち続ける清峰葉流火、そして、かつて彼らに敗れた選手たちが、もう一度野球と向き合っていく物語である。
高校野球という題材には、どうしても夏のイメージが重なる。グラウンドの熱気、汗、部活帰りの空気、仲間と過ごす時間。
けれど同作が描く青春は、ただ明るくまぶしいだけではない。そこには、挫折や喪失を抱えながらも、もう一度前へ進もうとする姿がある。
「ライラック」もまた、青春のきらめきだけを描いた楽曲ではない。
過ぎていく時間、届かなかったもの、それでも前に進もうとする感覚など、大森の言葉とメロディには、夏のまぶしさと、青春がいつか終わってしまうことへの寂しさが同時ににじんでいる。
『忘却バッテリー』の登場人物たちは、高校野球という青春の真ん中にいながら、それぞれに傷や後悔を抱えている。かつて前に進めなくなった者たちが、もう一度グラウンドに戻ってくる。
その姿は、「ライラック」が持つまぶしさとほろ苦さに重なる。
そう考えると、大森が「夏を堪能できるアニメ」を求めたことは、単なるおすすめ募集以上に見えてくる。