今回紹介するのは、2009年にフジテレビのノイタミナ枠で放送された初のオリジナルアニメ『東のエデン』。
記憶喪失の主人公、100億円が入った携帯、そしてセレソンゲームという謎めいた設定など、観る前から心を掴まれる要素が詰まった本作。
しかし、『東のエデン』の魅力はそれだけにとどまらない。
現代社会を生きる若者たちの閉塞感や葛藤にも鋭く切り込んでおり、社会派アニメとしても高い評価を受けている。
今回はそんな『東のエデン』を、あらすじや主題歌、物語の解説をしながら、徹底レビューしていく。
東のエデン
原作・脚本・監督|神山健治
音楽|川井憲次
制作|Production I.G
放送|2009年 4月~6月
話数|全11話
東のエデンの基本情報
あらすじ
2010年11月22日、日本各地に10発のミサイルが落下した。
しかし、ひとりの犠牲者も出さなかったその奇妙なテロ事件を、人々は「迂闊な月曜日」と呼び、すぐに忘れてしまった。
それから3 ヶ月後。
卒業旅行でアメリカを訪れていた森美咲は、ホワイトハウス前でトラブルに巻き込まれ、滝沢朗と名乗る青年に窮地を救われる。
だが彼は、自身の記憶を失っていた。
さらに全裸の状態で、拳銃と82億円がチャージされた携帯電話「ノブレス携帯」だけを所持していたのである。
やがて滝沢は、失われた記憶を辿る中で、自分が「セレソンゲーム」と呼ばれる、日本を救うためのゲームに参加していることを知るのだった。
東のエデンのキャラクター
滝沢 朗 (CV:木村良平)
本作の主人公。年齢は22歳。
全裸の状態でホワイトハウス前にいた、記憶を失った青年。拳銃と82億円がチャージされた「ノブレス携帯」を所持していた。自身の名前すら分からない状態だったが、複数所持していたパスポートの中から「滝沢朗」という名前を選び、以降その名を名乗ることとなる。
「明るく紳士的で、包容力と行動力を兼ね備えた人物」と東のエデンのメンバーから称される程、魅力溢れる性格を持つ。
森美 咲 (CV:早見沙織)
本作のヒロイン。
大学の卒業旅行で訪れたワシントンD.Cで滝沢と出会う。滝沢とは生年月日が1日違いの22歳。窮地を救ってくれた彼と行動を共にし、そのまま日本へ帰国することになる。
滝沢に対しては、出会った当初から「私の王子様なのではないか」と感じるほど、不思議な魅力を抱いていく。
両親を事故で亡くしており、パン屋を営む姉夫婦と同居中。過去には義兄に好意を抱いていたこともあり、家庭に対して複雑な感情を抱えている。
大杉 智 (CV:江口拓也)
大学のサークル「東のエデン」のメンバーのひとり。
高校時代から咲に片想いしているものの、未だに進展の気配はない。そんな中、突如現れた滝沢が咲と急接近していることに、内心穏やかではない様子。
平澤 一臣 (CV:川原元幸)
「東のエデン」の創設メンバー。
画期的なエデンシステムを武器に起業を目指していたが、大学内でシステムが悪用される事件が発生し、起業を断念。
当初は滝沢に不信感を抱いていたものの、直接言葉を交わすことで、徐々に信頼を寄せていく。
葛原 みくる (CV:齋藤彩夏)
エデンサイトのプログラミングを担当した「東のエデン」の中心メンバー。愛称は「みっちょん」。平澤のいとこにあたる。
極度の人見知りだが、滝沢とはすぐに打ち解けていた。
おネエ (CV:斉藤貴美子)
年齢、性別、本名すべてが謎に包まれた人物。
しかし「東のエデン」の精神的支柱であり、母親のような存在としてメンバーを支えている。
春日 晴男 (CV:田谷隼)
「東のエデン」の最年少メンバー。
平澤の指示を受け、情報収集や状況分析などで能力を発揮する。
板津 豊 (CV:檜山修之)
「世間コンピューター」を開発した凄腕ハッカー。
エデンシステム立ち上げ時にはプログラマーとして協力していたが、現在は京都の四畳半アパートに引きこもっている。
滝沢からノブレス携帯解析の協力を求められ、渋々ながら彼を部屋に招き入れる。
東のエデンの主題歌(OP・ED)が最高すぎる
OP|Oasis「FALLING DOWN」
『東のエデン』のオープニングテーマを担当したのは、イギリス出身の世界的ロックバンド・Oasis(オアシス)。
2024年8月27日に15年ぶりの再結成を発表、2025年にはワールドツアーを大成功に納めたOasisだが、おそらく後にも先にも日本のアニメ主題は本作だけなのではないだろうか。
そんな豪華すぎるOasisによる「FALLING DOWN」のサイケデリックなサウンドは、『東のエデン』の閉塞感のある世界観と驚くほどマッチしている。
なお、現在の配信版では、OP曲が声優の早見沙織による「ミカエルかベリアル」に差し替えられている。
ED|School Food Punishment「futuristic imagination」
エンディング・テーマを担当したのは、監督・神山健治がデモを聴いたことで大抜擢されたバンド、School Food Punishment。
筆者自身も大好きなバンドであり、初めて「futuristic imagination」を聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。
バンドは2012年に解散しているため、ハマった頃にはライブへ行けなかったことを今でも少し悔やんでいる。
「futuristic imagination」そのものが『東のエデン』を象徴しているのではないかと思えるほど、世界観を構築する作詞・作曲のセンスが突出している。
切り絵を用いたストップモーションのED映像も非常にオシャレで、楽曲との相性は抜群。
School Food Punishmentは他作品の楽曲も素晴らしいので、それについてはまた別の機会に紹介したい。
TVアニメ版で判明したセレソンたち
No.1|物部大樹
元官僚で。年齢30代前半。
頭脳明晰で交渉術にも長けている。
ATO商会と関係を持つ商社へ出入りすることで太い人脈を築き、最終的にはATO商会執行役員、ATO播磨脳科学研究所責任者へと上り詰めた。
No.2|辻 仁太郎
実業家。ノブレス携帯を受け取る以前から、既に100億円規模の資産を所有していた。
セレソンゲームから早く降りたいという理由から、物部と協力関係を結んでいる。
No.3|北林 とし子
劇場版で登場するキャラクター。
No.4|近藤 勇誠
警部補。私利私欲のために100億円をほとんど使い果たしてしまう。
アメリカから帰国した滝沢を追い、豊洲のシネコンで襲撃を仕掛け、ノブレス携帯を奪う。
No.5|火浦 元
火浦総合病院の院長であり、元敏腕脳神経外科医。
セレソンゲームを勝ち抜くことには興味を示さず、高齢者医療の改善や地域医療発展のために100億円を使っていた。
No.6|直元 大志
劇場版で登場するキャラクター。
No.7|篁 カオル
ドラマCDにのみ登場するキャラクター。
No.8|立原 憲男
劇場版で登場するキャラクター。
No.9|滝沢 朗
記憶喪失の青年。
何故か映画に関する記憶だけは鮮明に残っており、豊洲のシネコンを購入していることからも、相当な映画好きであることが分かる。
No.10|結城 亮
過労死した両親の葬儀場帰りにノブレス携帯を渡された青年。
社会に居場所がないと感じており、不公平な社会に対して強い憤りを抱いている。いつでも面接へ行けるように常にスーツを着用している。
No.11|白鳥・D・黒羽
外国人モデル事務所の敏腕社長。
ジョニーをシガーカッターで切り取る「ジョニー狩り事件」の犯人でもある。
大杉がジョニー狩りに遭遇したと勘違いした滝沢とホテルで出くわすことになる。
No.12|???
正体不明のセレソン。
劇場版にて、その正体が明かされる。